株式会社ジーティーオノエ

タッピンボルト 新鋼種SWCH 10AM・10CR

特徴

  • ・炭素量を低減し、「複雑な加工を可能」・「金型寿命を向上」を目的とした成分設計。
  • ・浸炭焼入時、結晶粒度微細化を目的とした成分設計。 [耐遅れ破壊性(頭飛び防止)に優れた材料]
  • ・浸炭焼入品(製品)での硬度バランスを考えた(「表面硬度を高く」・「内部は靭性を持った」)成分設計。
  • ・ボルトの機械的性質(靭性)とタッピンねじ(表面硬度)の性能を併せ持つことで、生産性と作業性をより向上させます。

化学成分

(1)SWCH10AM
  C Si Mn P S 微細化元素
GTO
SWCH10AM
≦0.15 ≦0.10 ≦1.8 ≦0.015 ≦0.015 添加
従来材
SWCH18A
0.15~0.20 ≦0.10 0.60~0.90 ≦0.030 ≦0.035 なし

(2)SWCH10CR
  C Si Mn P S Cr Mo 微細化元素
GTO
SWCH10CR
≦0.20 ≦0.10 ≦2.0 ≦0.015 ≦0.015 ≦1.00 - 添加
JIS
SWCH45K
0.42~0.48 0.10~0.35 0.60~0.90 ≦0.030 ≦0.035 - - なし
JIS
SCM435
0.33~0.38 0.15~0.35 0.60~0.85 ≦0.030 ≦0.035 0.90~1.20 0.15~0.30 なし

浸炭焼入後の結晶粒度 (倍率:x100)

SWCH10AM
γGS:#10.5~11.5
SWCH18A
γGS:#9.0~9.5

機械的性質

(M6×50) 10CR強度区分 10.9
特性値項目 JIS規格 メッキ付
No1 No2 No3 No4 No5 No6




引張破断荷重
20,900 21,860 22,060 21,940 22,140 22,320 22,000
引張強さ
N/m㎡
1,041 1,087 1,097 1,091 1,101 1,110 1,094
耐 力
N/m㎡
940 986 1,009 1,005 1,009 1,017 991
テスト・ピース
破断伸び
9.00 9.45 9.35 9.50 10.45 9.85 10.25
表 面 硬 さ
心 部 硬 さ
Hv 600~700 Hv 600~650
HRc 32~36 HRc 34~35

じん性の向上

通常、浸炭焼入をしたねじは”堅いがもろい”というイメージがありますが、新鋼種の採用により表面は非常に堅く、内部を柔らかくしかも材料に伸びがある理想的なタッピンねじです。 この実証は、頭部ハンマーテスト及び0.1塩酸浴による侵食試験にも合格しました。

ご提案

今後、めねじ側部材の高強度が進む中、従来タッピンねじでは充分な表面硬度を得ることが出来ず、写真で見られるようにねじ自体が負け不安定なねじ込みとなるか、最悪の場合にはねじががじり締結出来ない恐れもあります。 従来品ねじをあえて使用する場合には、めねじ側部材の下穴径を大きくし対応せざるを得ないことでしょう。この場合、ねじの引掛率が低下し、保持力の低下及び緩みの発生に繋がることになるでしょう。 また、従来のめねじ側部材を用いてもGTOは、表面硬度が高く、タッピン性能に優れる点から見て作業効率の向上及びめねじ側部材の下穴径を小さくすることで、耐緩み性能の向上と保持力の向上が狙えます。